蝶と蛾を区分すること
世界には18,000から20,000種類の蝶が、そして日本には25種類の蝶が生息している。
仙台市のカメイ美術館には、同美術館を運営する財団法人の設立代表者、故亀井文蔵が60年以上にわたって収集してきた蝶が展示されている。
モンシロチョウといった身近な蝶から、羽ばたく姿が鳥のようであると名づけられたトリバネチョウ、また世界で最も美しいと言われ、全身が青々と輝いているように見えるモルフォ蝶等。
フロアいっぱいに計14,000頭の蝶が展示されている光景は圧巻である。 ここを訪れたことのない人であれば、是非とも訪れてほしい。
ところで、蝶は美しいイメージがあるが、中にはフクロウ蝶など、とても綺麗な姿をしていない蝶も存在する。
まるで蛾のような姿だ。
昔から、疑問に思っていたのだが、そもそも、蝶と蛾の違いとは何なのだろうか。
ちゃんと館内の説明に書いてあった。
「蝶と蛾に、絶対的な区別はなく両方とも同じ鱗翅目の仲間であり、その区別の仕方には所説があると。」
結論を言えば、なんとなく見た目で勝手に人間が分類しているだけのようだ。
蝶と蛾に分類されること、それは単純に呼称を分類されるにとどまらない。
人間は蝶を好むが、蛾は忌み嫌う傾向があるのだ。
詳細も知らずに区分された事柄を一方的に判断してしまう。そんなことをしていないだろうか?
フロアの隅に展示されていた蛾を見ながら、ふとそう思ってしまった。